高度の左室収縮障害を来したスズメバチ刺傷の1例
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概要
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ハチ刺傷ではアナフィラキシーだけではなく,ハチ毒による中毒が存在し,各種臓器不全が出現する。ハチ毒による多臓器不全症例は,これまでいくつか報告されているが,心臓に対する障害で,一過性の左室収縮障害に関するものは少ない。今回我々は,オオスズメバチ刺傷による多臓器不全患者で,高度の左室収縮障害を来した症例を経験したので報告する。症例は71歳の女性。山中でオオスズメバチに約60箇所刺傷され受傷した。来院時はアナフィラキシーショック状態であり,治療により軽快した。その後,ハチ毒による多臓器不全を認め,高度の左室収縮障害が出現した。翌日には左室収縮力は改善したものの,他の臓器不全の改善はなく,第 4 病日に死亡した。今回,ハチ刺傷による高度の左室収縮障害を認めた。ハチ毒自体に関する今後更なる調査が必要である。
- 一般社団法人 日本救急医学会の論文
一般社団法人 日本救急医学会 | 論文
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