ベルガル低地の自然と地形変化
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概要
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ガンジスデルタを含むベンガル低地の沖積地は,その形成営力から,主として河川の作用によって形成され,低地の主要部をなす氾濫原の地域,海と川との相互作用によって作られたデルタ縁辺部の地域,相対的に海の作用が卓越するガンジス·プラマプトラ川河口(メグナ川河口)地域,メグナ川河口の東側に続くフェこからチッタゴン,コックスバザールにかけての海岸平野の地域に分けることができる。<BR> この地域において人々の居住に最も大きな影響を与えるのは洪水と高潮である。とくに雨季における河川の増水と氾濫は各地で浸水を引き起こし,また,河岸侵食や河道の移動をも引き起こす。ほとんどの地域では河岸に賢固な堤防が建設されていないため,雨季の糟水は各地で河岸の侵食や崩壊を引き起こし,宅地や農地が消失することもしばしばである。また,ガンジス川やプラマプトラ川をはじめとして各河川の河道が大きく位置を変えることもある。<BR> 一方,ガンジス・プラマプトラ川 (メグナ川)の河口付近では, 河川による堆積作用と海の営力によって地形は大きく変化する。この地威では河口から排出される土砂の堆積によって新たな島(州)が活発に形成される一方,波浪や潮流によって消失する部分も多い。とくに, インド洋で発生するサイクロンの襲来は高潮を引き起こし, 三角州の末端や河口付近に点在する島を侵食する。このような海岸侵食によって形を変えたり消失した島の数は限りない。ただし,現在の河口部の西側に続くやや古いデルタの縁辺部は,顕著なマングローブ樹林の存在によって堆積物が固定されていて大規模な地形変化はほとんど見られない。また,東部の海岸平野の地域では,浅海堤の離水に伴って砂堤列の形成が進行するという形で地形が形成されているため,デルタの河口部に比べると地形の変化は著しくない。
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日本熱帯生態学会 | 論文
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