トランス脂肪酸(水素添加植物油)の何が悪いのか
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. トランス脂肪酸の心疾患に及ぼす影響は顕著なものではなく、動物性脂肪より悪いという根拠は明確ではない。2. 水素添加植物油にはトランス脂肪酸のほかに微量の因子があり、脳卒中ラットの寿命を異常に短縮し、内分泌撹乱作用を示す。この作用をおこす量は超大量ではなく、日本人の摂取量は安全域とはいえない。3. 水素添加により副生するジヒドロ型ビタミンK1が微量有害因子の一つであり、脳出血促進 (血栓性低下?) 作用のほか、骨代謝にも影響を及ぼす因子であると考えられる。4. 他の数種の植物油も脂肪酸組成では説明できない発癌促進作用を示しており、より広範な安全性研究が必要である。5. わが国で摂取されている食用油の9割以上はリノール酸含量が高いか、微量有害因子を含んでおり、健康増進には向かない。動物性脂肪の安全性が強調できる。
- 日本脂質栄養学会の論文
日本脂質栄養学会 | 論文
- 高地トレーニングにおける赤血球膜機能に及ぼす魚油濃縮物投与の効果
- COX阻害剤の使用実態 (話題:リノール酸摂取量について)
- 脂質栄養:脂質と認知症--日本脂質栄養学会第16回大会モリス博士基調講演の記録
- n-3系多価不飽和脂肪酸の循環・脳機能改善作用機序の解明
- 血清コレステロール値をどう見るか--酸化能を考慮した設定の可能性