カバークロップの播種時期および播種量と土壌風食抑制効果
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概要
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土壌風食抑制技術として効果的なカバークロップ利用手法を明らかにするため,カバークロップの種類,播種時期および播種量とカバークロップの乾物重および土壌風食抑制効果を検討した.圃場実験は茨城大学農学部附属フィールドサイエンス教育研究センターにて2005年から2007年に実施した.実験の要因として播種時期を2水準(10月,11月),カバークロップの種類を4水準とし(ライムギ,エンバク,ヘアリーベッチ,無処理区),カバークロップの播種量を3水準(密,標準,疎)とし3反復で行った.<BR>その結果,10月に播種する条件であれば播種量は慣行量の半分でも地表面の風速を70%以下に減少させることができ,土壌風食抑制に対して一定の効果が期待できるものと考える.また,ライムギおよびエンバクでは11月以降に播種を行い,播種量を密に播種することにより土壌風食を抑制することが認められた.しかし,ヘアリーベッチでは播種時期が11月以降では乾物重が小さく播種量を増加しても抑風効果が期待できなかった.<BR>これらのデータをもとにカバークロップの乾物重と相対風速の関係から線形モデルを作成した.その結果,カバークロップの乾物重が約50g/m<SUP>2</SUP>程度確保することにより,風速10m/sの時,地表面の風速を3m/s以下となった.このことから,土壌風食を抑制するためにカバークロップを作付する場合には,当該地域において風食被害の激しい時期に一定の地上部バイオマス(乾物重)を確保する播種時期,播種量およびカバークロップ種の選択を行う必要がある.
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