種子付きマットを用いた水稲「箱なし苗」の作業性
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概要
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種子付きマットを用いた「箱なし苗」と苗箱を用いた慣行苗をビニルハウス内の無加温平置き出芽法にて育苗し,作業時間,苗マットや苗の形質,移植精度等を比較した.<BR>1)箱なし苗は,育苗準備の作業時間が苗20枚当たり20.7分と慣行の約1/3になり,苗箱の回収・洗浄・保管も不要となった.<BR>2)箱なし苗の苗マットの質量は2.8kgで慣行の半分以下であり,従来軽量苗として報告されている苗より軽く,ハンドリングの軽作業化に大きな効果がある.<BR>3)箱なし苗の引張強度は慣行苗よりやや弱い程度で,丸めての運搬やハンドリングに支障がなかった.<BR>4) 慣行苗より育苗期間を1日~6日長くした場合,箱なし苗の苗丈は慣行苗と同程度で,葉齢と茎葉乾物重は,慣行苗並かやや優った.<BR>5)箱なし苗は慣行苗より欠株率が高かったものの,最大で7%であった.<BR>6)箱なし苗は育苗準備の作業時間の短縮と軽作業化に大きな効果があると考えられた.
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