ダイズのリビングマルチ栽培に利用するムギ類の品種と雑草抑制効果との関係
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概要
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秋播き性の高いオオムギおよびコムギ18品種をリビングマルチとして供試し,無中耕・無除草剤でダイズの栽培を行い,形態的特性や遮光能力等の違いが雑草の抑制やダイズの収量に及ぼす影響を比較した.7月上旬における遮光率は,品種の違いによる差が大きく,シンジュボシ,べんけいむぎで雑草の生育を顕著に抑制するとされる90%を超えていた.遮光率とムギ類の乾物重および乗算優占度との間には高い正の相関関係が認められた.また,8月上旬の雑草乾物重とムギ類の草高および乗算優占度との間には負の相関関係が認められた.このことから,雑草抑制効果を評価するには,乗算優占度が最も良い指標になりうると判断された.リビングマルチ栽培したダイズの収量は,全般に慣行栽培より低い傾向にあった.これは,試験圃場で雑草の埋土種子量が多く,比較的遮光に強いとされるヒエ類やタデ類が優占していたことから,初期に発生した雑草が残存したことが主な原因と推察された.
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