薄膜試験片調整の困難な材料に対する三酢酸セルロース保持による水蒸気透過度測定
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概要
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塗料や接着剤など,透過度測定に用いる自立薄膜の調整が困難な材料の水蒸気透過度測定方法を検討した。これらの材料を表面が平滑で水蒸気透過性の高い三酢酸セルロースフィルム上に成膜して積層試験片を調製し,水蒸気透過度測定に用いた。積層膜の透過をあらわす一般式(1/J=Σ[1/Ji])から計算した成膜試料の水蒸気透過度は遊離塗膜の実測値との間で誤差を生じたが,三酢酸セルロースフィルムの水蒸気透過度の湿度依存性に基づく補正を行うことによりほぼ一致した。この方法で測定した膜厚20~60 µmの接着剤および防湿塗料の水蒸気透過度が遊離塗膜の水蒸気透過度/膜厚曲線上に分布したことから,三酢酸セルロースフィルムを保持基材とした測定が流動性材料の水蒸気透過性評価に有効なことが示された。さらに,厚さの異なる試料の測定結果から透湿係数の推定も可能であった。
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