アセタールコポリマー樹脂の硝酸水溶液環境下における腐食挙動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アセタールコポリマー(Co-POM)の硝酸(HNO3)水溶液下における腐食挙動を調査し,重量,寸法,色,曲げ強さと分子量の変化から劣化度合いを評価した。浸漬後の試料表面は白から黄色に変化し,重量変化は潜伏期間を経て減少を示した。純水浸漬後の曲げ強度は、乾燥によってほぼ初期強度まで回復したが,HNO3水溶液に浸漬した試料では乾燥後も強度は回復しなかった。サイズ排除クロマトグラフィー測定から,HNO3水溶液によるCo-POMの劣化進行は試料表面付近に限定され,試料内部ではほとんど劣化は観測されなかった。腐食速度は腐食層の厚みから計算でき,それを用いることにより浸漬後の未腐食部の厚みと残存曲げ強度が予測できることを示した。これら検討から,NHO3水溶液によるCo-POMの劣化進展は腐食層形成型であった。
- Japan Society of Colour Materialの論文