超微細粒子含有ポリエチレンフィルムの調製とその性質(第2報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
前報1)において,ポリエチレン(PE)にある種の化合物を添加することにより,燃焼時に発生する二酸化炭素の量を半減できることを報告した。本報では,前報と異なる化学物質(酸化亜鉛あるいはデンプン)を添加することを試みた。その結果,無機物質として酸化亜鉛を核剤とするナノカプセルポリマー充填剤(酸化亜鉛含有リポソーム)を混練した場合には,無色透明のフィルムのままで400 nm以下の紫外線を半減し,フィルムの強度も通常のPEと同等であった。また,植物由来のデンプンとPEの相溶化剤(12-ヒドロキシステアリン酸マグネシウム)を核剤とするナノカプセルポリマー充填剤を混練したPEフィルムは脆くなることはなく,ある程度の強度を保つことができた。前報1)と今回の結果を考え合わせると,PEの品質を向上させるためには,核剤となる物質をそのままポリマー中に分散させるのではなく,リポソーム内に取り込んだ形(ナノカプセルポリマー充填剤)として混練することがきわめて重要であることがわかった。
- Japan Society of Colour Materialの論文