ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とする二色性色素を用いた偏光フィルムの作製とその特性
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概要
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二色性比の高いアゾ系二色性色素と一軸延伸した超延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて,高圧染色法で染色することにより,PET偏光フィルムを簡便に作製し,その偏光特性の評価を行った。アゾ系二色性色素の分子軌道計算を行った結果,これら二色性色素は分子長軸方向と遷移モーメントの方向が一致し,高い二色性比を示すことが示唆された。高い二色性比を有するアゾ系二色性色素と一軸超延伸PETフィルムを用いて,高圧染色法で作製したPET偏光フィルムの単色偏光度は,使用する色素分子に強く依存し,7.86~10.2の高い二色性比,89~98%の単色偏光度を示すものも見いだされた。また,最適比の黄色,赤色,青色のジスアゾ系またはトリスアゾ系二色性色素と超延伸PETを用いて,高圧染色することで,偏光度99%,色度座標のx,y値がともに0.31のニュートラルグレーの偏光フィルムを容易に作製することができた。また,ここで作製したPET偏光フィルムは,80℃,90%湿度下で,1000時間以上の耐湿潤性に優れたものであった。
- Japan Society of Colour Materialの論文