界面活性剤(2)―界面活性剤分子集合体の構造制御と溶液物性コントロール
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概要
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界面活性剤分子は溶液内で自発的に集合体を形成し,溶液にさまざまな機能を与えることができる。分子集合体の一つであるひも状ミセルの形成については,最近,多くの混合界面活性剤系で形成されることが明らかになった。ここではカチオン-非イオン界面活性剤混合系や安全性の高い非イオン界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステル水溶液系について述べた。さらに,ポリ(オキシエチレン)系界面活性剤系において温度上昇にともなう粘度低下が少ないひも状ミセル溶液の形成についても解説した。一方,I1相などの高粘性リオトロピック液晶を連続相に導入したゲルエマルションが最近見いだされており,ここでは長鎖のポリグリセリン脂肪酸エステル系におけるO/I1型ゲルエマルション,ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル系におけるO/H1型ゲルエマルションの調製について述べた。また,O/H1型ゲルエマルションにグリセリンを添加することによる透明なエマルションについても記述した。
- Japan Society of Colour Materialの論文