界面活性剤無添加水溶液中におけるオレイン酸滴の粒子径に及ぼす長鎖脂肪族アルコールの添加効果
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概要
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オレイン酸 (OA) を油相とする界面活性剤無添加O/W型エマルション (SFE) 溶液中の油滴の粒子径に及ぼす長鎖脂肪族アルコール (FA) の添加効果を検討した。その結果, OA濃度が10mM以上のSFE滴の成長速度には, 主として合一が関与していることが示唆された。一方, OAに対して種々のFAを重量比9 : 1で混合したところ, 1-オクタデカノール (OD) および1-ドコサノールの場合, OA単独系に比べてSFEの分散安定性が飛躍的に向上した。次に, 種々の重量比で混合したOA/OD混合油のDSC測定, レオロジー測定, 小角X線散乱測定を行ったところ, OAとODを重量比6 : 4で混合した場合のみ, ラメラ構造をもつ剛直なα-ゲルを形成した。さらに, 表面圧―面積等温曲線測定から, 重量比6 : 4で混合したOA/OD二成分系はOA単独に比べて気―液界面へ密に配向し, かつ膜の崩壊圧は高かった。これらの結果から, 水溶液中のOAにODを混合すると, その油滴界面で自発的に (自然発生的に) α-ゲルを形成して強固な界面膜となるために油滴の合一を抑制することがわかった。
- Japan Society of Colour Materialの論文