高プロカルシトニン血症を呈したGoodpasture症候群の一例
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概要
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プロカルシトニン(procalcitonin, PCT)は全身性細菌感染症のマーカーであり,敗血症における重症度診断の指標とされている。今回,感染症を伴わないGoodpasture症候群症例で,PCTの高値を経験した。症例は66歳,男性。ステロイドパルス療法および血漿交換療法(plasma exchange, PE)を施行したが,血液透析(hemodialysis, HD)導入となり,また肺胞出血による急性呼吸不全のためにICU入室となった。入室時,PCT値の高度上昇を認めたが,ステロイドパルス療法,PEの継続により症状は改善し,PCT値も低下した。その後,細菌性肺炎により再度PCT値の上昇を認めたが,抗菌薬療法などにて軽快した。Goodpasture症候群では肺,腎など障害臓器よりPCTが産生される可能性があり,感染症を伴わない状況でも抗糸球体基底膜抗体(anti-glomerular basement membrane antibody, 抗GBM抗体)による組織傷害を反映してPCT値が上昇し得ると考えられる。本症におけるPCT値上昇は,細菌感染症の可能性に加え,抗GBM抗体による肺腎障害を考慮すべきである。
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一般社団法人 日本集中治療医学会 | 論文
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