大量の胸膜外血腫で発症した後天性血友病Aの1例
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概要
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後天性血友病Aは,それまで出血傾向のない患者に重篤な出血症状で突然発症する,治療抵抗性で致死率の高い稀な疾患である。今回われわれはその1救命例を経験したので報告する。症例は80歳,女性。過去に出血傾向や凝固障害の既往はなかったが,食道癌術後2ヶ月目頃に突然呼吸困難を伴う大量の右胸膜外血腫を発症し,救急搬送された。活性化部分トロンボプラスチン時間の著明な延長と静脈内留置針周囲からの持続的出血を認めたが,新鮮凍結血漿は無効であった。その後,抗第VIII因子自己抗体陽性(36.0 Bethesda U·m<I>l</I><SUP>−1</SUP>)により本疾患の診断が確定し,ステロイドと遺伝子組換え活性型第VII因子製剤の投与を開始した。自己抗体力価は入院後70日目には1.2 Bethesda U·m<I>l</I><SUP>−1</SUP>まで低下した。この間,鼻出血や消化管出血の反復に苦慮したが,次第にその頻度は減少し,胸膜外血腫も徐々に消退したため入院後78日目に退院した。迅速な診断と治療が良好な転帰に寄与したと考えられた。
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一般社団法人 日本集中治療医学会 | 論文
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