汽水湖宍道湖における湖底堆積物からの無機栄養塩の回帰速度
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概要
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汽水湖宍道湖では,潮汐変動にともない,大橋川から高塩分水が遡上し,底層に塩分底成層を形成する。本研究では,その塩分底成層の深層(躍層以深の高塩分層)への無機栄養塩の回帰速度を明らかにすることを目的とし,現場観測を行った。300 ml 容の注射筒を用いた多層採水器を作製し,湖央部の5 地点において湖底上0.2, 0.4, 0.6, 0.8 および1.0 m の各層から同時採水した。試水中のアンモニア態窒素,亜硝酸態窒素,硝酸態窒素およびリン酸態リンを定量分析し,得られた無機栄養塩濃度に基づき栄養塩の現存量を計算した。現存量の変化より,湖央部における栄養塩回帰速度を算出した。このように求めた栄養塩回帰速度は,アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素および硝酸態窒素の和の全無機態窒素として49 mgN m<SUP>-2</SUP> day<SUP>-1</SUP>,リン酸態リンとして7.7 mgP m<SUP>-2</SUP> day<SUP>-1</SUP>であった。したがって,そのN:P比は6.4と計算された。
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