外来淡水産底生無脊椎動物の現状と課題 特定外来生物シグナルザリガニ(Pacifastacus leniusculus)の分布状況と防除の現状
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2006年2月1日,北米原産のシグナルザリガニ<I>Pacifastacus leniusculus</I>(ウチダザリガニ,タンカイザリガニ)が特定外来生物の第二次指定種に選定された。本報では,特定外来生物の将来的な管理計画を念頭に置き,シグナルザリガニの国内での分布と防除の現状を報告する。シグナルザリガニは,1926年から1930年にかけて北米のコロンビア川流域から輸入された後,北海道や本州の天然水域に移植され,近年,急速に北海道はもとより本州でも分布を拡大している。2007年7月現在,シグナルザリガニは,北海道の東部,北部および中央部の地域,そして本州の3県(福島県,長野県,滋賀県)に分布している。外来生物法の施行以降,これまで北海道でのみシグナルザリガニの防除が行われ,2006年度には4湖沼,2007年度には河川を含む4水域においてカゴ罠やSCUBA器具を用いた素手による防除が実施されている。一方,滋賀県今津町では,個体群独自の標準和名(タンカイザリガニ)を重んじてシグナルザリガニを保護しようとする動きがある。最後に,シグナルザリガニ防除の問題点や今後の課題について議論する。
- 日本陸水学会の論文
日本陸水学会 | 論文
- キイロカワカゲロウの孵化におよぼす水温の影響〔英文〕
- キイロカワカゲロウ羽化の経日・日周変化〔英文〕
- Studies on Taxonomy and Distribution of the Freshwater Snails,Genus,Semisulcospia in the Three Islands inside Lake Biwa
- びわ湖南湖におけるタテヒダカワニナおよびカゴメカワニナの分布とその決定要因について
- ちりとり型金綱による河川底生動物採集上の問題点