琵琶湖表層水および流入河川水中に存在するFe(II)の濃度分布と存在形態
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概要
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フェロジン-Fe(II)錯体の固相濃縮法を改良し,淡水中の3 nmol L<SUP>-1</SUP> までのFe(II)の検出を行った。好気的環境である琵琶湖表層および流入河川におけるFe(II)の濃度分布をこの方法によって初めて明らかにした。2005年11月,琵琶湖北湖の表層(0m)において溶存Fe(II)濃度の最大値が測定された。水中に存在する全Fe(II)に占める割合も他の深度(5, 10, 20 m)と比較して最大であった。琵琶湖流入河川におけるFe(II)は河川の汚濁や地質に関係なくほとんどが溶存態であった。地下水の湧出が豊富な犬上川について6地点で測定を行った結果,pHの上昇に伴い,全Fe(II)/溶存Fe(III)濃度比が減少する傾向が認められた。さらに,塩化物イオン濃度の増加に従って濃度比が減少する傾向が認められたことから,Fe(II)が湧出し,表層の河川水との混合過程において酸化を受けていた状況にあったと考えられる。
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