長期にわたる血糖コントロール不良にも関わらず大血管障害の軽微なミトコンドリア糖尿病透析患者の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ミトコンドリア糖尿病(maternally inherited diabetes and deafness: MIDD)では一般に細小血管障害の合併頻度が高いことが知られているが,大血管障害の合併頻度については明らかにされていない.今回,われわれはMIDD透析患者で透析歴9年,糖尿病歴24年と長期にわたる血糖コントロール不良にもかかわらず,全身の動脈硬化性変化が軽微であった症例を経験したので報告する.症例は56歳,男性.32歳で糖尿病と診断され,48歳で血液透析を導入.この時にMIDDと診断された.2007年,脳卒中様発作(stroke-like episodes)を発症したが,頭部MR angiography上,脳動脈に明らかな狭窄,閉塞は見られず,脳動脈支配と無関係な領域に脳組織障害像を呈していた.脳動脈硬化所見が乏しかったことより,全身の大血管の動脈硬化度について検査を行った.その結果,下肢動脈に狭窄を認めるのみで,その他,脳動脈,冠動脈,腹部大動脈の石灰化,狭窄はみられなかった.
- 一般社団法人 日本糖尿病学会の論文
一般社団法人 日本糖尿病学会 | 論文
- Hyperlipidemia and Analysis of the Use of Lipid-lowering Drugs in Non-insulin-dependent Diabetes Mellitus.
- Thyrotoxic Crisis in a Patient with Mitochondrial Diabetes Mellitus.
- Rapidly Progressive Nephropathy in a Young Patient with Mitochondrial Gene Mutation.
- An Autopsy Case of Ketoacidosis in Insulin Dependent Diabetes Mellitus Patient Complicated with Adult Respiratory Distress Syndrome, DIC and Leukopenia.
- Studies on Alcoholic Beverages in Relation to Body Weight for Mild Diabetics