胃切除後に発症しダンピング症候群と考えられていた膵併存腫瘍による低血糖症の1例
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概要
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症例は78歳男性.64歳時に早期胃癌にて胃切除を施行した.術後3年頃より低血糖発作が出現し,当初ダンピング症候群と考えられていた.次第に頻度が多くなり,食後だけでなく空腹時にも低血糖が出現するようになった.当科受診時に38 mg/dlと低血糖を認め同時採血のIRI 15.5 μU/ml, CPR 5.66 ng/mlと高値を示した.75 gOGTTとグルカゴン負荷試験にてIRIの過剰反応を認めた.画像診断の結果から膵頭部のインスリノーマと診断した.外科にて膵頭十二指腸切除を施行したところ,病理組織所見は膵併存腫瘍でありリンパ節転移を認めた.手術後低血糖発作は完全に消失した.本症例は低血糖の診療に当たる際に示唆に富む症例であり,病理組織所見も膵併存腫瘍という特異な所見を呈していたので報告する.
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一般社団法人 日本糖尿病学会 | 論文
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