妊娠禁忌の進行した糖尿病合併症を有し,妊娠継続困難にて帝王切開となった2型糖尿病合併妊娠の1例
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概要
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症例は33歳女性.9歳時より高度肥満を伴う糖尿病と診断され,約1年前よりインスリン療法を行っていた.右眼硝子体手術後に妊娠が判明し,当科入院となった.1日尿蛋白排泄量11 gとネフローゼ症候群を呈し,腎症は3期Bで,左眼に眼底出血を認め,神経障害も合併していた.さらにHbA1C 8.8%と血糖コントロール不良であったが,本人,家人の強い希望により妊娠を継続した.重症の加重型妊娠高血圧腎症を合併し,降圧剤の内服にて血圧は140~160 mmHgであった.妊娠28週に帝王切開術を施行した.児は924 gで,明らかな奇形の合併はなく良好に経過した.母の腎症は出産後増悪を認めたが,左眼増殖糖尿病網膜症の悪化に対して妊娠中に硝子体手術を施行し,網膜症の活動性は低下した.重症の糖尿病合併症を有する2型糖尿病合併妊娠であったが,集学的治療により無事出産に至った.
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一般社団法人 日本糖尿病学会 | 論文
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