発症初期に頻回の低血糖を伴った急性発症1型糖尿病の1例
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概要
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症例は35歳の女性.繰り返す低血糖の精査のために入院した.75 g経口ブドウ糖負荷試験(75 g OGTT)直後から高血糖に移行し,インスリン治療を開始することになった.低血糖時の血中インスリンは高値であり,一方高血糖に移行した後の尿中C-ペプチドは著明低値であった.インスリンの頻回注射でも患者の血糖コントロールは困難でbrittle型を呈している.発症が急激であり,膵ラ氏島関連自己抗体が陰性であったことから劇症1型糖尿病が疑われた.しかし膵外分泌酵素の上昇は全く認めず,また病歴から発症前の耐糖能異常があった可能性も考えられた.明らかな診断に至らなかったものの,低血糖の精査入院中,糖負荷試験を契機に1日で高血糖に移行するという劇的な経過を観察し,劇症1型糖尿病(以降劇症1型)の亜型とも捉えられる貴重な症例と考え報告する.
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一般社団法人 日本糖尿病学会 | 論文
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