キク6品種の生育に及ぼすキタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)の影響
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概要
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輪ギク2品種(岩の白扇、秀芳の力)と肥後ギク4品種(端正、鳳輦、千尋の海、曙の光)の生育に及ぼすキタネグサレセンチュウの影響を、セルトレイおよび鉢を用いた試験で調査した。その結果、キクの根数、根長および根の生体重に及ぼす線虫寄生の影響は「岩の白扇」で最も大きく、根は顕著に褐変し、草丈の伸長は抑制された。「秀芳の力」では、線虫接種20日後の根内線虫個体数は他の5品種より多くなったが、根の褐変程度は小さく、根と草丈に対する有意な成長阻害は認められなかった。肥後ギク4品種では、接種5日後に比べて、20日後の苗1本あたりの根内線虫数の品種間差異は小さく、根の生育に及ぼす線虫の影響はほとんど認められなかった。以上およびその他の実験結果などから、キタネグサレセンチュウに対して、「岩の白扇」は宿主として好適な感受性品種、「秀芳の力」は好適な耐性品種、肥後ギク4品種は不適な耐性品種に区分された。
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