術中操作による耳下腺腫瘍術後のフライ症候群予防効果について
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概要
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この論文は手術中のフライ症候群の予防効果を調べること,特に胸鎖乳突筋弁と耳下腺被膜を縫合する方法との比較を目的としている。2002年から2007年までの間の耳下腺切除後術後患者86名にフライ症候群の症状,運動制限,局所の痛みにつきアンケートを用いて質問した。質問に答えた58名を胸鎖乳突筋弁群(筋弁群)(29例),耳下腺被膜縫合群(縫合群)(29例)にグループ分けした。全て術後12ヶ月以上経過した症例であった。これらの群間の比較にはカイ2乗検定を使用した。食事時の発汗については「自覚しない」あるいは「わずかに自覚」の症例が筋弁群で各々66%,28%(計93%),縫合群で82%,11%(計93%)であった。また発赤については各々75%,17%(計93%),縫合群で85%,11%(計96%)であった。これらの症状に対し2つのグループ間で有意差はなかった。運動制限や局所の痛みについても患者の割合にこの2群間で有意な差はなかった。手術部の変形については筋弁群でわずかに多く自覚されたが,有意差はなかった(7%に対し22%)。胸鎖乳突筋弁群は被膜縫合と同様の効果があるうえに,より広い欠損部にも応用できて有用な方法であると結論した。
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