下咽頭癌の治療戦略―放射線治療の立場から―:―放射線治療の立場から―
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概要
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下咽頭癌の治療において,化学放射線療法は重要な役割をはたす。九州大学では30~40Gyの化学放射線療法を行い,著効例であれば化学放射線療法を継続し,効果が不十分であれば手術を行うことを原則としている。上記治療方針にて治療された早期下咽頭癌(I,II期)44例の5年疾患特異的生存率は,根治照射群(32例)88.4%,手術群(11例)90.9%で,両群に有意差はなかった。I期9例中8例(88.9%),II期34例中23例(67.6%)に喉頭温存が可能であった。また,進行期下咽頭癌(III,IV期)175例についても,手術群(90例),根治照射群(85例)の疾患特異的生存率に有意差はなかった。しかし,根治照射群での5年局所無再発率は,T1:90.1%,T2:59.7%,T3:46.0%,T4:34.9%であった。化学放射線治療に感受性の高い下咽頭癌に関しては,局所再発が問題となるものの,化学放射線治療は有効な治療法と考えられた。
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