浅側頭動脈よりの超選択的動注法(HFT法)を用いた連日同時放射線化学療法―進行口腔癌の原発温存に対する検討―:―進行口腔癌の原発温存に対する検討―
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概要
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頭頸部癌に対する超選択的動注化学療法は,Seldinger法を用いた大腿動脈からの方法と浅側頭動脈よりの逆行性にカテーテルを挿入する方法(HFT法)とに大きくわけられる。HFT法はカテーテルの長期留置ができることから放射線との連日同時併用が可能であり,比較的安全性の高い治療方法である。今回われわれは進行口腔癌に対してdocetaxelとcisplatinを用い,超選択的動注化学療法と放射線療法との連日同時併用療法を行い,原発温存症例につき検討した。口腔癌T3,4の23例について検討した結果,19例(83%)については原発がコントロールされ,4例(17%)が再発した。4例中3例は手術を施行し,局所制御されている。23例中21例(87%)が生存し2例が死亡した。2例の内訳は1例が原発の再発で局所のコントロールができず,あとの1例は遠隔転移によるものであった。生存率は,1年生存率95.5%,3年生存率79.5%,5年生存率79.5%であった。超選択的動注化学療法では治療前に腫瘍の栄養動脈を同定し,確実に抗癌剤を投与することが重要である。HFT法を用いた連日同時放射線化学療法は生存率の向上,原発温存,さらには頸部郭清術の回避などの多くの利点を期待できる治療法である。
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