愛媛県大洲・内子盆地に分布する下部‐中部更新統の層序と編年
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概要
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愛媛県肱川流域の大洲・内子盆地では, 河川~扇状地成の厚い砂礫層を主体とする下部―中部更新統が分布する. これらは下位より冨士山層, 内子層, 大洲層に区分でき, 上位を段丘堆積物 (古田層, 菅田層, 廿日市層) に覆われる. 火山灰層と植物化石に着目し, 堆積年代を検討した結果, 冨士山層, 大洲層, 古田層から産出する火山灰層が, それぞれピンク火山灰層, 横尾火砕流, Aso-1に対比された. また, 冨士山層, 内子層下部ではメタセコイアとヒメバラモミ近似種が共産することから, 冨士山層および内子層下部で遅くとも1.4~0.8Ma, 大洲層で0.8~0.5Ma, 高位段丘堆積物古田層では約0.3~0.2Maの年代が求められた. この結果, 本地域の下部―中部更新統は, 中央構造線沿いに分布する菖蒲谷層, 郡中層の上部~最上部層準, 土柱層の中部~最上部層準, 大阪層群の下部~上部層準に相当すると考えられる.
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