北西太平洋海底コアにおける過去30万年間のテフラ層序:広域テフラおよび帯磁率変動曲線の対比に基づく年代モデルの構築
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概要
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北西太平洋黒潮続流域西部から採取された海底コアMR0102-PC1, KR0215-PC2, KR0215-PC3と, 黒潮―親潮混合水域から採取されたKR0215-PC7に挾在する49枚のテフラの記載岩石学特徴と, そのうち41枚中の火山ガラスの主成分化学組成を調べた. その結果, 計6枚のテフラがコア間で対比され, そのうち3枚がそれぞれ阿蘇4テフラ, 御岳第1テフラ, および阿多鳥浜テフラに対比された. このテフラ対比に基づき, 各コアから求めた帯磁率変動曲線を対比した. また, 阿蘇4テフラおよび阿多鳥浜テフラの年代を基準として, 同海域から採取され年代モデルが確立している海底コアS2612の帯磁率変動曲線との対比を行い, 各コアにおける年代モデルを構築した. このモデルに従い, 御岳第1テフラおよびほかの3枚のテフラの年代を上位より約98ka, 約159ka, 約219ka, 約230kaと推定した. また, 各コアにおける過去30万年間の堆積速度変化を復元し, 黒潮続流域西部は寒冷期のピーク時に堆積速度が上昇し, 寒冷期から温暖期への移行期に下降することを, 黒潮―親潮混合水域では逆の傾向を示すことを明らかにした.
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