骨盤照射後３１年目に発症した超高齢者膀胱破裂の１例
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概要
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骨盤照射後31年目に発症した超高齢者膀胱破裂の1例を経験した。症例は96歳女性。65歳時，子宮癌に対し放射線治療の既往があった。2010年1月下旬，突然の腹痛を認め救急搬送された。腹部造影CT検査にて小腸は浮腫状で腹水を多量に認め，膀胱内に少量の気腫像を認めた。腹水穿刺では黄色混濁腹水であった。尿道バルーンを挿入すると混濁尿であり，腹水穿刺液と同性状であった。急性汎発性腹膜炎に対し，試験開腹術を施行した。腹腔内には混濁した腹水を認めたが，消化管穿孔は認めなかった。膀胱は菲薄化し，頂部に1箇所8mm大の破裂部を認めたため，大網充填，腹腔ドレナージ術を行った。術後集中治療を要したが，おおむね経過は良好で，尿道バルーン抜去後，特別養護老人ホームへ転院となった。急性腹症の診療において，下腹部に放射線照射の既往があるときは，本症も念頭に置くべきである。過去最高齢での救命例であり，大変貴重な症例であるため報告する。
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日本腹部救急医学会 | 論文
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