横行結腸が嵌頓壊死をきたした腹壁瘢痕ヘルニアの1例
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概要
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腹壁瘢痕ヘルニアの結腸嵌頓・壊死から重症化した症例を報告する。症例は80歳の女性で,右下腹部痛と腹部膨満を主訴として受診した。既往の虫垂切除術の右下腹部手術創上部が膨隆し圧痛を伴っていた。造影CT検査を施行したところ横行結腸が右下腹部の直径3cm大のヘルニア門から脱出・嵌頓し,周囲に炎症を伴っていた。腹壁瘢痕ヘルニアの横行結腸嵌頓との診断で同日に緊急開腹手術を施行した。上下腹部正中切開で開腹したところ,ヘルニア嚢内は横行結腸中部が嵌頓・壊死していたため,結腸右半切除術を施行した。ヘルニア嚢内のデブリートメントおよび腹壁の単純閉鎖,右下腹部横切開による開放創で皮下のドレナージを施行した。術後は重症感染症に対する全身管理と,開放創に対しては,毎日の生理食塩水による洗浄を繰り返した。正中創は感染離開したが,連日の洗浄により47病日には閉鎖し,第64病日に退院した。その後2年間再発していない。
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日本腹部救急医学会 | 論文
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