術前診断が可能であったウメの種子嵌頓による大腸癌腸閉塞の1例
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概要
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症例は81歳,男性。2006年11月突然腹満感が出現し当院を受診した。腹部単純X線検査でniveauの形成を伴う小腸と大腸の拡張像を認めた。腹部造影CT像では造影効果を伴うS状結腸の辺縁不整な壁肥厚像と,その内腔に円形の異物を認めた。結腸癌に異物が嵌頓したことによる腸閉塞と診断し,緊急手術として人工肛門造設術を施行した。術後大腸内視鏡検査を行い癌と確定診断し,第15病日に根治術としてリンパ節郭清を伴うS状結腸切除術を施行した。切除標本では,肉眼的に腫瘍に嵌頓するウメの種子を認めた。今回われわれは,CTにて大腸癌による狭窄部に種子が嵌頓し腸閉塞をきたしたことを術前診断することができた。大腸腸閉塞をきたす症例においては,このような症例の可能性も念頭に術前診断するよう心掛けることが必要と考えられた。
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日本腹部救急医学会 | 論文
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