慢性血液透析患者に発生した胃壁内気腫を伴う急性胃拡張の1例
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概要
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胃拡張に胃壁気腫を伴うことはまれであるが慢性血液透析患者に発症した1例を経験したので報告する。症例は68歳, 男性。慢性腎不全のため28年間血液透析を行っていた。心窩部痛, 腹部膨満感を主訴に入院。腹部は著明に膨隆しており, 軽度の圧痛を認めた。腹部単純X-P, CTでは著明な胃拡張と胃壁内にガス像を認めた。胃内容を吸引して症状は軽快したため保存的加療を行うこととした。翌日の血液検査で血清アミラーゼ値が6,780IU/l と著明に上昇していることが判明したため膵炎と診断しメシル酸ガベキサートの投与を行った。アミラーゼ値は次第に低下したが正常範囲内には至らなかった。第4病日に施行したCTでは胃壁内のガス像は消失しており, 同日行った胃内視鏡検査では胃壁全体に浮腫, びらんを認めた。第8病日より経口摂取を開始したが症状の悪化はなく, 第20病日に退院した。
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日本腹部救急医学会 | 論文
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