テロメラーゼ依存的腫瘍融解アデノウイルス製剤による放射線感受性増強作用
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概要
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DNA修復機能阻害は放射線感受性を増強させるため,DNA修復に関与する因子の阻害剤は放射線増感剤となり得る.我々の開発したテロメラーゼ依存的腫瘍融解アデノウイルス製剤OBP-301(テロメライシン)は,アデノウイルスE1B55kDaタンパクを介して細胞のDNA修復に重要な役割を果たすMRN複合体(Mre11,Rad50,NBS1)を分解する機能を有する.このMRN複合体の分解によりATM(ataxia-telangiectasia mutated)の活性化が抑制され結果的にDNA修復機構が阻害される.我々はOBP-301と放射線との併用が強力な相乗効果を生み出すことをマウスの皮下腫瘍モデルおよび食道癌同所性モデルにおいて証明した.これらの結果はOBP-301が将来有望な放射線増感剤となり得ることだけでなく,E1B55kDaタンパクを産生する腫瘍融解アデノウイルス製剤と放射線との併用が悪性腫瘍に対する有力な治療戦略となり得ることを示す.
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