MRI上の広範な白質病変と遷延する意識障害にもかかわらず長期予後良好であった低血糖性昏睡の1例
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概要
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症例は28歳女性である.インスリノーマによる低血糖で昏睡となった.入院時の頭部MRI拡散強調画像(DWI)で両側頭頂後頭葉白質にびまん性高信号域をみとめ,血糖補正後も意識障害が遷延した.しかし,インスリノーマを切除し,血糖を管理しながら経過を観察したところ,発症1年後にはほぼ後遺症なく回復し,復職を果たした.一般に,広範な白質病変をともなう低血糖性昏睡は予後不良とされているが,初期治療の反応が不良であっても,長期的にみれば緩徐に改善する予後良好な症例が存在すると考えられる.
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日本神経学会 | 論文
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