筋炎が発症時より前景に立った全身性エリテマトーデスの1例
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概要
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症例は42歳女性である.膠原病の既往なし.急激な両側大腿痛と四肢近位筋の筋力低下,CK高値にて入院した.抗核抗体などの自己抗体は陽性であったが,全身性エリテマトーデス(SLE)を示唆する症状に乏しく,蛋白尿・血尿も当初はミオグロビン尿による腎障害にともなうものと考えた.特発性筋炎と考え,ステロイド療法にて症状・CK値は改善したが,尿所見異常は持続した.腎生検にてループス腎炎がみとめられたため,SLEにともなう筋炎と診断し,タクロリムスの併用にて尿所見も改善した.筋炎が主体であっても,腎炎の合併や自己抗体陽性の症例では,SLEにともなう筋炎を念頭におくべきである.
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日本神経学会 | 論文
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