小児期発症がうたがわれ,長期間進行停止後に増悪したと考えられたAlexander病の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は40歳の女性である.1歳で単発の痙攣の既往があり,以降活気が乏しくなった.小学生時から成績不良であった.最終学歴は短期大学卒業で,卒業後に就職したが転居を機に短期間で離職した.38歳時に発語・感情が乏しくなり,その後歩行が不安定になった.40歳時,転倒を契機に他院に入院し,当院に紹介された.頭部MRIで前頭側頭葉白質を主とした著明な脳萎縮を,頸髄MRIで頸髄全般に軽度の萎縮をみとめた.GFAP遺伝子の検索でR79H変異があり,MRI所見とあわせ若年発症Alexander病が長期症状固定後に増悪したものとうたがわれた.若年型Alexander病の自然歴を考える上で貴重な症例と考えられた.
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例