トキソプラズマ脳炎のPCR検査法
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概要
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トキソプラズマ脳炎の検査法には,髄液中のトキソプラズマ原虫をPCR法で検出する方法がもちいられる.その理由は,抗体価の検出法だけでは無症状の慢性感染者と脳炎患者との区別が難しいこと,ならびに免疫不全患者では抗体価の上昇が望めないためである.PCRの標的遺伝子としては1虫体あたり35コピーあるB1と110コピーある18S-rDNAがもちいられる.両遺伝子のNestedPCRをおこなったところ,18S-rDNAがもっとも感度の良い方法であった.しかしトキソプラズマ脳炎患者での陽性率は40%ほどで,炎症部位が髄腔と接触する患者で陽性率が高かった.このことは髄液中の虫体の有無が結果に反映された可能性が考えられる.
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