FUS変異によるALS臨床病理と病態
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概要
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16番染色体に連鎖する家族性ALS(ALS6)の責任遺伝子がFUS/TLSであることが報告された.FUS/TLSは家族性ALSの原因遺伝子として,わが国ではSOD1に次いで頻度が高い遺伝子と考えられて,これまでに東北大学神経内科では解析した10家系に同遺伝子変異をみとめた.FUS/TLS変異をともなうALS全体の臨床病型としては,比較的若年発症で,経過も2年程度と進行速度が速い経過であった.5世代にわたって臨床像の詳細を知ることができたFUS/TLS遺伝子のp.R521C変異にともなう大家系では46人のうち半分にあたる23人が家族性ALSを発症しており浸透率は100%と考えられた.剖検では神経細胞内に好塩基性封入体をみとめ,これはユビキチン陽性,TDP-43陰性,FUS陽性であった.
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