てんかん性視覚保続発作に内側側頭葉と頭頂葉の関与が示唆された1例
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概要
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患者は83歳の女性である.右側頭葉の脳腫瘍のため要素性幻視,有形性幻視,視覚保続などの多彩なてんかん性視覚体験を訴えた.てんかん性視覚保続はまれな症状である.本例では対象が実際より多数,拡散してみえる空間的視覚保続(polyopia)と対象から視線をそらした後に残像がみえる反復視(palinopsia)をみとめた点が特徴的であった.てんかん性視覚体験の発現機序を明らかにするために,発作出現時の脳波および脳血流SPECTを記録した.その結果,視覚保続発作に右側の内側側頭葉と頭頂葉が関与している可能性が示唆された.
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日本神経学会 | 論文
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