化膿性海綿静脈洞血栓症,細菌性髄膜炎をきたしたLemierre症候群の33歳男性例
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概要
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症例は33歳男性である.頸部痛,右眼の眼球突出にて当科を受診した.右眼の外転制限,眼球突出をみとめ,髄膜刺激徴候が陽性であった.頭部造影CTでは,両側海綿静脈洞で造影欠損をみとめ,頭頸部MRIでは,T2強調画像で左内頸静脈にそって高信号病変をみとめた.頸部CTでは左内頸静脈は完全閉塞している所見であった.髄液検査では多形核球優位細胞増多をみとめた.メロペネム,クリンダマイシンで軽快し,第18病日退院となった.本症例はLemierre症候群に化膿性海綿静脈洞血栓症と髄膜炎を併発したと考えた.退院後にseptic emboliにより肺膿瘍を発症した.早期かつ十分量の適切な抗生剤治療が重要と考えた.
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