大脳基底核標本の21.1テスラMRIとその病理対応:レビー小体型認知症
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概要
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脳実質には鉄,フェリチン,マンガン,および銅などの常磁性物質が存在する.われわれはレヴィ小体型認知症(DLB)1例と正常対照1例の固定脳標本大脳基底核における常磁性物質の沈着を,21.1テスラMRIをもちいて評価し,さらに同じ検体にPrussian blue染色をおこないFe3+の沈着を病理学的に評価した.DLB患者の大脳基底核における信号雑音比と緩和時間は,対照例と比較して全領域で低かった.同検体のPrussian blue染色性はDLB症例において対照例よりも高く,組織へのFe3+沈着とT2*値の低下の間に相関がえられた.この高磁場MRIの技術が,神経変性プロセスにかかわるFe3+の役割の解明に役立つことが期待される.
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