抗グルタミン酸受容体抗体陽性を示した可逆性脳梁膨大部病変を有する脳症の１例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は18歳男性である．発熱と関節痛の1週間後に強直性痙攣と意識障害が出現した．頭部MRI拡散強調画像にて脳梁膨大部に卵円形の高信号病変をみとめたが，入院3日目のMRIでは脳梁膨大部の異常信号は消失した．髄液所見に異常なく，各種ウイルスと細菌検査も陰性であったが，髄液中のグルタミン酸受容体に対するIgG-GluRε2抗体が陽性であった．アシクロビルとステロイド，抗てんかん薬の投与で意識状態は改善し，強直性痙攣の頻度も軽減して3カ月後に完全回復した．本例では病原体は不明だが可逆性脳梁膨大部病変を有する脳症（MERS）と考えられ，IgG-GluRε2抗体が本例の病態に関与した可能性も推測された．
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例