MRIでガドリニウム造影効果をともなう脊髄神経根の腫大をみとめた神経サルコイドーシスの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は80歳,女性で,胸部の絞扼感,四肢の痺れ感と脱力が徐々に進行した.髄液検査では細胞数と蛋白が増加していた.脊髄MRIでは,頸髄と腰髄レベルにガドリニウム(Gd)造影効果をともなう両側脊髄神経根の腫大をみとめた.胸部CTでは肺門リンパ節腫大はなく,血清のACEとリゾチームは正常だが,ツベルクリン反応の陰転化,気管支肺胞洗浄液でリンパ球とCD4/8比の上昇,さらに前斜角筋リンパ節生検で非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫をみとめた.経口プレドニゾロン投与により,症状と画像所見は改善した.Gd造影効果をともなう神経根の腫大をみとめたばあい,神経サルコイドーシスも考慮する必要がある.
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例