Pure motor isolated finger palsyを呈した脳梗塞の1例
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概要
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症例は,左第1指,2指の筋力低下で発症した73歳の男性である.左の第1指,2指において橈骨・尺骨・正中神経いずれの支配筋も軽度の筋力低下をみとめたが,感覚障害をふくめ他の異常はみとめなかった.頭部MRIで右precentral knobに急性期脳梗塞をみとめ,各種検査より心原性脳塞栓症と診断した.大脳皮質局在病変による,手指に限局した運動麻痺(pure motor isolated finger palsy:PMIFP)の報告例はまれで,末梢性の単麻痺と診断された症例の中には本症例と同様の原因によるものが存在すると考えられる.PMIFPを呈する症例では大脳の局在性病変も念頭におく必要がある.
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日本神経学会 | 論文
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