経過中に髄液ADAが高値を呈したリステリア髄膜炎の1例
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概要
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患者は83歳女性である.2007年10月に発熱,頸部痛,意識障害が出現し,髄液細胞数268/mm3と上昇をみとめ入院した.第10病日に髄液ADAが43.3IU/lまで上昇し,結核性髄膜炎がうたがわれたが髄液抗酸菌染色,抗酸菌培養,結核菌DNA PCR法はすべて陰性であった.髄液細菌培養でListeria monocytogenesをみとめ,リステリア髄膜炎と診断した.リステリアは細胞内寄生菌でありTリンパ球が活性化する.ADAはTリンパ球の増殖・分化で上昇することから,本例の髄液ADA上昇はリステリアに対する免疫反応の結果と考えた.
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