交通事故回避動作にともない突然発症したreversible posterior leukoencephalopathy syndromeの1例
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概要
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症例は40歳の女性である.子宮筋腫による貧血に対して,GnRHアナログが開始された.車の運転中,交通事故回避をした直後に激しい頭痛が出現し,痙攣重積となった.頭部MRIで両側の後頭葉や頭頂葉に可逆性を示す血管原性浮腫をみとめ,reversible posterior leukoencephalopathy syndromeと診断した.GnRHアナログによる血管収縮状態に,とっさの身体活動による急激な血圧上昇や血管拡張が生じて脳血流自動調節能の上限域を越えたこと,あるいは血液脳関門が障害されたことが本例の発症機序と考えた.GnRHアナログを使用中の患者では,怒責や急激な運動は控える注意が必要と考えられた.
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日本神経学会 | 論文
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