髄液抗グルタミン酸受容体ε2抗体陽性の非ヘルペス性急性辺縁系脳炎をともなったVogt-小柳-原田病の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
42歳女性例を報告する.視力低下で発症し,頭痛,耳鳴,情動異常が出現した.胞状網膜剥離,蛍光眼底造影検査での脈絡膜の充盈遅延,点状漏出,乳頭の過蛍光よりVogt-小柳-原田病(原田病)と診断した.髄液検査で単核球優位の細胞数増多,抗グルタミン酸受容体(GluR)ε2 IgM型抗体陽性,頭部MRIにて左海馬傍回に病変をみとめ,辺縁系脳炎が考えられた.神経症状,髄液所見はステロイド療法で改善した.原田病の病態として自己免疫機序が報告されているが,本例における脳炎の発症にも抗GluR抗体などの抗神経抗体の関与の可能性が考えられた.これまで原田病にともなう辺縁系脳炎の報告はないが,今後留意する必要がある.
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例