抗アクアポリン4抗体陽性の再発性横断性脊髄炎-シクロスポリン治療の可能性-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
59歳の女性が軽度の対麻痺を示した.MRIでTh4∼6椎体高位に脊髄病変がみられたが,脳は正常であった.ステロイド・パルス療法で軽快した.プレドニゾロン内服を中止した20日後に起立不能,尿閉になった.MRIでC6∼Th10椎体高位に連続する脊髄病変がみられ,抗アクアポリン4抗体陽性であった.免疫吸着療法で麻痺は軽減した.脊髄炎が再発する可能性が高いと予測されたが,副腎皮質ステロイドを長期使用すると糖尿病,高眼圧,骨粗鬆症の悪化が予想されたため,シクロスポリンに変更した.1年以上寛解が続き,抗アクアポリン4抗体が陰性化した.シクロスポリンは視神経脊髄炎の関連疾患に対して再発抑制効果をもつ可能性がある.
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例