亜急性に片側の外転神経麻痺・顔面神経麻痺・三叉神経障害および分節性感覚障害を呈した橋下部海綿状血管腫の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は54歳男性である.右外転神経麻痺,左顔面および左上肢の分節性感覚障害,右末梢性顔面神経麻痺が約半月の経過で進行性に出現した.頭部CTおよびMRIで橋右被蓋に出血性病変をみとめ,脳血管撮影では異常所見をみとめず,海綿状血管腫からの出血と診断した.外側脊髄視床路の内側部障害および腹側三叉神経視床路の障害により,一側型の感覚障害を呈し,右外転神経核付近で右外転神経および右顔面神経が障害されたと考えた.脳幹部病変で分節性感覚障害をおこした症例は散見されるが,本例は脳神経症候をともない,亜急性の経過をとった点が特徴的である.
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例