血清・髄液中抗グルタミン酸受容体抗体陽性が診断を混乱させたglioblastomaの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
53歳の男性例を報告する.意識消失や地誌的障害の発作が計4回出現した.初発3カ月後の抗グルタミン酸受容体抗体(抗GluR抗体)が髄液IgGε2,血清IgMε2で陽性であり,臨床症状と合わせて辺縁系脳炎がうたがわれた.頭部MRIではT2強調画像とFLAIRで脳梁膨大部から側頭葉内側白質にかけて高信号を呈し,側脳室周囲白質では,その一部が拡散強調像で高信号を呈し,Gd-DTPAで淡く増強される病変をみとめた.発症4カ月後には右手の感覚障害も出現し,血清IgGε2が陽性となった.MRIで後角周囲白質病変はより強いリング上増強像を呈し,脳生検にてglioblastomaと診断された.
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例