左上大静脈遺残を介したと考えられる奇異性脳塞栓症の1例
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概要
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症例は36歳の男性である.32歳時に橋梗塞を発症し,その時点で両側視床内側の陳旧性梗塞を指摘された.36歳時に意識障害,四肢麻痺を呈し,脳底動脈閉塞による小脳,橋を中心とした脳幹に多発性梗塞を再発した.胸部造影CTで左上大静脈遺残(persistent left superior vena cava;PLSVC)をみとめ,右上大静脈(right superior vena cava;RSVC),PLSVC,その他縦隔内の静脈の著明な拡張と静脈血栓がみとめられた.PLSVCは左心房へ還流しており,本例は縦隔内の静脈血栓によるPLSVCを介した奇異性脳塞栓症と診断し,抗凝固療法をおこなった.過去にPLSVCを介した奇異性脳塞栓症の報告は無く,文献的考察を加えて報告する.
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日本神経学会 | 論文
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